- 水合わせってめんどくさそう…
- ぶっちゃけ水合わせしなくてもなんとかなるんじゃ?
- 水合わせして水槽に入れたのにすぐ死んじゃった…なんで??
自分の水槽に生き物をお迎えする際、必要になる手順のひとつが「水合わせ」です。
- 時間が掛かる作業だし、正直めんどくさい
- 水合わせの方法がいくつかあって選び方がわからない
上記の感想をもつ方は多いでしょう。しかし、水合わせは絶対に必要です。生き物を飼う以上、手間を避けることはできません。
手間の掛かるイメージの強い水合わせですが、特別な場合を除きやり方は一択。技術も必要なく、道具も100円ショップでそろうので非常にシンプルです。
この記事は、アクアリウム歴7年の私が正しい水合わせについて解説します。記事を読むと水合わせの重要性を理解し、生き物をスムーズに迎えることができるようになるでしょう。
水合わせとは?生き物を守るための超重要ステップ!
水合わせとは生き物を水槽にお迎えする際、新しい環境に慣れさせるための方法です。アクアリウムを楽しむためにも、水合わせのステップを外すことはできません。
ここで正しい知識をつけ、愛着ある生き物たちとの生活を長く続けるための地盤を作りましょう!
必要な道具は100円ショップでOK!水合わせの簡単3ステップ
難しくややこしいイメージをもたれがちな水合わせですが、実は簡単なステップと100円ショップの道具で完結します。
ここでは具体的な3ステップとコツを紹介し、手軽に水合わせを終わらせる方法を解説します。
【全て100円】水合わせに必要な道具
水合わせに必要な道具を紹介します。
- ポリ袋
- スポイト
- バケツ×2
- 熱帯魚用などの表記のある目の細かい網
目の細かい網以外は特に注意点がないので、すでに自宅にあるものでも良いです。
【ステップ1】持ち帰った生き物と水をバケツに入れる
まずは水質を合わせる作業から始めます。
- ショップや川などから持ち帰った生き物を水ごとバケツに入れる
- スポイトを使い1〜2時間ほど掛けて少しずつバケツに水槽の水を入れる
- 途中で1/3ほどの水をもうひとつのバケツに捨てる(1〜2回)
上記の数字はあくまで目安です。この作業に関しては時間を掛けてもリスクがないため、万全を期したい方はさらに時間を掛けて同じ作業を繰り返しても問題ありません。
【ステップ2】バケツの水ごと生き物をポリ袋に移す
次は、新しく迎える水槽の水温に生き物を慣らす作業です。水温計を使いバケツ内の水温と水槽の水温がほぼ同じであれば下記の作業を省略することができます。
- ポリ袋に生き物とバケツの水を入れてしっかり縛る
- 水槽の水面に2、30分ほど浮かべる
上記の方法で水槽の水温に生き物を慣らすことができます。1時間以上など長時間浮かべると、ポリ袋内の生き物が酸欠になるので注意が必要です。
【ステップ3】生き物だけ網ですくって水槽に入れる
上記のステップを踏んだらいよいよ生き物を水槽に移します。生き物が傷つかないように目の細かい網を使いましょう。100円ショップにある熱帯魚用などの網で十分。なるべく古い水が水槽内に入らないように気をつけながら、優しく生き物を迎えてあげましょう!
元々生き物が住んでいた水質と新しく迎える水槽の水質はまったくの別物だと考えましょう。菌の種類が違うだけでなく、寄生虫を持ち込む可能性もあるため元々住んでいた水は捨てることを徹底してください。
水合わせを怠るとどうなる?よくある失敗例と対策を紹介!
なぜ水合わせが必要なのかについて解説します。
- ストレスが原因で病気になったり、寿命が縮むことがある
- 水生生物は変温動物である以上、わずかな温度差もストレスになる
- 急激な水温・水質の変化に対応できず致命的となる可能性がある
水合わせをせずに水槽に生き物を入れてしまうと、高い確率でダメージを与えることになります。生き物が健康で長生きするために水合わせは必須であることは理解しておきましょう。
よくある失敗例を紹介!よかれと思った行動が裏目にでることも…
水合わせ自体は簡単ですが、失敗してしまう人が少なくないのも事実。失敗する原因はほとんどの場合以下の3つとなります。
- 水質・水温を合わせない
- 水槽に袋を浮かべる時間が長すぎる
- 新しい生体が入っていた水を水槽に入れてしまう
順に解説します。
水質・水温を合わせない
水槽の水温に新しい生き物を慣らしたあとは、必ず水質にも慣らすようにしましょう。
たとえ管理が行き届いたショップの飼育水でさえ、自宅水槽との水質はまったくの別物。いきなり大きく違う環境に放り込まれたら生き物に大きなダメージを与える可能性があります。
最悪、「pHショック」という状態になり致命傷を負います。水質は時間を掛けて慣らしてあげることを徹底しましょう。
水槽に袋を浮かべる時間が長すぎる
意外な盲点となる失敗例のひとつが、生き物を水槽の水温にしっかり慣らしてあげようと思うあまり、長時間袋を浮かべることです。
袋内の酸素は徐々に薄くなるので、長時間水温合わせすると生き物が酸欠になります。基本は30分、どんなに長くても1時間ほど水槽に浮かべておけば十分なので水温合わせのやり過ぎには注意しましょう。
新しい生体が入っていた水を水槽に入れてしまう
違う環境の水からは新たな細菌や寄生虫が混入する危険性があり、最悪の場合水槽の生き物が全滅する可能性すらあります。
多大なるリスクを回避するためにも、自宅の水槽に別の場所からもってきた水を混ぜることは絶対に避けましょう。
生き物別の適水温・適したpHを表にして一挙紹介!
初心者が飼育しやすい生き物に絞って適水温・適したpHを紹介します。
種類 | 適水温 (°C) | pH |
---|---|---|
金魚、メダカ※河川などに棲む小型淡水魚 | 15 – 28 | 5.0 – 8.0 |
アカヒレ(熱帯魚の中でも特に丈夫な生体) | 15 – 26 | 5.5 – 8.0 |
一般的な熱帯魚 | 22 – 26 | 5.5 – 6.8 |
ヌマエビ類 | 15 – 27 | 6.0 – 8.0 |
※ドジョウ、ヨシノボリ、オヤニラミ、カワムツ、カマツカ等々
- 金魚やメダカ、河川などに棲む小型淡水魚は、水温・pHの許容範囲が広い
- アカヒレは熱帯魚でありながら、かなり丈夫で水温・pHの許容範囲が広い
- 一般的な熱帯魚は、ヒーターやpH測定で水温・水質の管理がある程度必要
- ヌマエビ類は慣れた飼育水下では水温・pHの許容範囲が広い
上記の表を活用して、水合わせ前の水温・水質チェックや飼育する生き物選びにお役立てください。
水合わせは簡単!3ステップで生き物が棲む環境を整えよう
複雑で面倒くさいイメージをもたれがちな「水合わせ」ですが、末永く生き物と生活するためにはどうしても必要な最初のステップとなります。
- 新しい生き物と元々棲んでいた水を入れたバケツに少しづつ水槽の水を混ぜる
(1〜2時間ほどが基準) - 水質を合わせたバケツの水ごと生き物をポリ袋に入れて水槽に浮かべる
(時間を掛けすぎると生き物が酸欠になるため1時間以内を厳守) - 生き物だけ網ですくって水槽に入れる
(網目の細かい網を使用して古い水は水槽に入れない)
上記が水合わせの方法であり、あらゆるトラブルから生き物を守ることができます。生き物が元気に泳ぎ回れる環境を確保し、アクアリウムを楽しんでいきましょう!