• インデックスだけで十分なのか、配当という収入も得るべきか迷う
  • 高配当株は気になるが、個別株はなんとなく怖い

インデックス投資には「全世界株やS&P500を買えばいい」という、ある程度の最適解があります。高配当株は、これという正解がなく、銘柄選びのハードルが高い。私も高配当の個別株購入に手をとめた1人です。それでも高配当株から目が離せなかったのは「暴落時も配当を維持する企業が一定数あるから」です。

この記事では、インデックスと高配当株を両立する利点や無理なく始められる方法、自分にあった保有割合の決め方を解説します。記事を読み終えるころには迷いが消え、自分のペースでインデックスと高配当株を両立した資産形成ができるようになります。高配当株投資でも、いきなり個別株に挑む必要はありません。

まずは高配当株をまとめたETF・投資信託から始め、配分は目的や資金、個人の性格にあわせて徐々に進めるのがスムーズです。

なぜインデックスに高配当株を足すのか|競合ではなく“補完”

インデックスと高配当株のちがいを以下の表にまとめます。

比べるポイント インデックス投資 高配当株投資
ひとことで言うと 効率よく増やす土台 現金を受け取り続ける上乗せ
得られる利益 値上がり益
(キャピタルゲイン)
配当金
(インカムゲイン)
現金が入る
タイミング
売却するまで入らない
(評価額が増減するだけ)
保有中に定期的に振り込まれる
リターン・
利回りの目安
長期平均 年4〜7% 程度 配当利回り 年3〜5% 程度
主な買い方 投資信託・ETFを1本 個別銘柄、または高配当ETF・投信

※リターン・利回りは過去の実績や一般的な目安であり、将来の成果を保証するものではありません。

すでに続けているインデックス投資に高配当株を加えるのは、合理的な判断です。インデックスは資産を効率よく増やすのは得意ですが、売却しない限り現金になりません。高配当株は保有するだけで、配当の形で定期的に現金を受けとれます。得た現金は再投資したり、生活費にあてたりできる柔軟性が魅力です。

インデックスと高配当株の両立には、メンタル面の利点もあります。インデックスで土台が育っているからこそ、高配当株は焦らず、納得できるタイミングで買い向かえます。

高配当株の3つの魅力|現金・増配・下落に強い

高配当株の最大の魅力は「もっているだけで現金が入ってくる」ことです。買い増さなくても、保有しているだけで定期的に配当が振り込まれます。ここからは、配当でいくら受け取れるのか、配当が増減するしくみ、課税の違い、下落局面での優位性の順に解説します。

配当はいくらもらえるのか|配当利回りの目安

高配当株には明確な定義はなく、一般に3〜5%以上が目安とされます。個別株やETF、投資信託など、豊富な選択肢から銘柄を選べます。「本田技研工業」や「SUBARU」の個別株だと、5%程度の配当利回りも狙えます。ETFや投資信託では3%台の配当利回りがメインです(いずれも執筆時点の水準)。

配当利回り4%なら、100万円を投資して年4万円(税引き前)の配当が受けとれる計算です。300万円なら年12万円。相場がくずれて資産が目減りする局面でも、配当という現金収入が入り続ければ、精神的な支えになります。配当利回りは株価によって変動し、将来の金額を保証しない点はおさえておいてください。

配当は増えることも減ることもある|増配の魅力と減配リスク

高配当株の配当額は、ずっと同じとはかぎりません。企業業績が良い方向に動けば「増配」、悪い方向なら「減配」や「無配」になります。増配は高配当株ならではの魅力です。業績が伸びた企業は配当を増やすことがあり、株をもちつづけるだけで、受け取る配当が育ちます。

買ったときの株価を基準にすれば、実質的な利回りが年々上がっていくイメージです。いっぽうで、業績が悪化すれば配当を減らす「減配」、止める「無配」のリスクもあります。リスクを減らすポイントは以下のとおりです。

  • 高配当の個別銘柄を分散して保有する
  • ETFや投資信託で高配当株をまとめてもつ

1つの個別株に集中投資せず、さまざまな企業や業界に分散するのがポイントです。最初から広く分散されているETFや投資信託は、配当利回りこそ個別銘柄に劣るものの、分散の観点では有力な選択肢になります。

インデックスと高配当株の配当に対する課税の違い

インデックスファンドが組み入れている株式も、実は配当をだしています。再投資型の投資信託であれば、配当はファンド内で自動的に再投資され、現金としては入りません。再投資された時点の配当は課税されず、売却時の利益に対して課税されます。

高配当株の配当は、受けとるたびに課税対象です。インデックスと高配当株の課税について、以下の表にまとめます。

比べるポイント インデックス投資
(再投資型の投信)
高配当株投資
配当の
受け取り方
自動で再投資される
(現金は手元に入らない)
現金で受け取れる
受け取り時の
課税
課税されない
(売却時にまとめて約20%課税)
受け取るたびに約20%課税
(20.315%)
複利の
効きやすさ
再投資されるので複利が効く 課税の分だけ再投資効率は落ちる

※再投資型の投資信託は、課税が売却時まで繰り延べられます。分配金を受け取るタイプは、その時点で課税されます。

株価が下がっても配当が入る|下落局面に強い理由

インデックスだけの運用だと、相場が大きく下がる局面では、資産の減少をただみているしかありません。淡々と積み立ててきた人ほど、こたえる場面です。高配当株は、株価が下がっても配当を維持する銘柄が少なくありません。

配当は企業の利益から支払われるため、株価そのものの上下とは別に動きます。企業の利益は堅調でも、相場に引っ張られて株価だけ下がることがあるからです。株価が下がっていても、業績が底堅い企業は配当を据え置いたり、増配したりすることもあります。下がった局面で受け取った配当を再投資にまわせば、安くなった株を多めに買えます。

下落を『耐えるタイミング』から『仕込みどき』へ。これが、インデックスと高配当株をあわせもつ強みです。

個別株に踏み出せない理由|私がJTで指が止まった話

いざ個別の高配当株を買おうとするのに手がとまるのは、インデックス経験者に起きやすい心理です。銘柄選びに確信が得られなかったり、優良銘柄は高額だったりするからです。私も「JT(日本たばこ産業)」の購入に手がとまったひとりです。JTを購入しようとした理由は「高配当株の王道といわれているから」という、単純な動機でした。

自分で分析した他の銘柄に自信がもてなかったのも、王道銘柄を選ぶにいたった要因です。結果、JTを断念し、高配当株の投資信託を購入しました。私にハイリスクな銘柄を売買した経験があるにもかかわらずです。JT購入を断念した理由は以下のとおりです。

  • たばこが日本国内で縮小産業だから
  • 株価が低迷気味だったから

私の不安をよそに、JTは海外事業の好調を背景に株価上昇を続けています(執筆時)。配当めあてなら、株価の動きは気にせず買えるはずでした。これは、インデックス投資を軸にしている人の心理的ハードルです。「配当が欲しい」という建前の裏で、無意識に値上がり益を判断基準にしていたのです。

個別株で手が止まるのは、心理的ハードルであり、意志が弱いからではありません。投資信託なら、初期投資やリスクをおさえて高配当株を運用できます。個別株にこだわらない買い方なら、心理的なハードルを下げて始められます。

高配当株の始め方|まずETF・投資信託、慣れたら個別株へ

はじめから高配当銘柄が分散されているETF・投資信託から始め、慣れてきてから個別株を購入する流れは合理的です。少数銘柄への集中投資だと、業績悪化による減配・無配のダメージが大きくなります。少額で配当が入ってくる感覚もつかめます。

個別の高配当株は、配当利回りの高さが魅力です。なかには非常に高い配当利回りの銘柄もあります。しかし、株価下落が原因で数字上の高利回りになっただけのケースも少なくありません。短期間で減配・無配になるリスクがあるということです。高すぎる利回りの銘柄を見極めるには、相応の経験と知識がいります。

個別の高配当株の購入に手がとまってしまう人ほど、ETF・投資信託から始めるのがスムーズです。最初から分散の効いている高配当銘柄を積み立てしたり、スポットで買ったりできるのも利点です。ETF・投資信託で土台をつくったうえで、上乗せとして個別株を検討すると、リスクが抑制されます。

配当も非課税に|NISAのつみたて枠と成長枠の使いわけ

NISAを活用すれば、高配当株の売却益だけでなく配当も非課税です。NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」について以下の表にまとめます。

比べるポイント つみたて投資枠 成長投資枠
ひとことで言うと 長期・積立向けの
投資信託を買う枠
個別株やETFにも
投資できる枠
年間の投資枠 120万円 240万円
投資できる商品 金融庁が選定した
投資信託・ETF
個別株・ETF・
投資信託など
両立での使い方 インデックスを
コツコツ積み立てる
高配当ETF・
個別株を買う

※2つの枠は併用でき、合わせて年間360万円まで投資できます。生涯の非課税保有限度額は合計1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)、非課税で保有できる期間は無期限です。数値は執筆時点のもので、制度は改正されることがあります。

つみたて投資枠は、金融庁が選んだ銘柄に年間120万円まで投資できる枠です。「長期・積立・分散投資」に適した基準を満たしており、手数料が低く、長期運用に耐えうる実績をもつファンドの銘柄で構成されます。成長投資枠は、年間240万円まで投資できる枠で、個別株やETFにも投資できます。高配当銘柄は、成長投資枠を使うのが基本です。

高配当の個別株や高配当ETFは、つみたて投資枠の対象になっておらず、成長投資枠でしか買えないからです。

つみたて投資枠でコツコツ積み立て、成長投資枠で好みの高配当銘柄を選ぶと合理的です。つみたて投資枠でポートフォリオの土台をつくり、成長投資枠で高配当銘柄を上乗せしていく。インデックスの土台と高配当の上乗せを、どちらも非課税で育てられます。

NISAでも配当が課税される?|「株式数比例配分方式」の設定を確認

「株式数比例配分方式」に設定していないと、NISA口座で買った株の配当に約20%の税金がかかります。株式数比例配分方式とは、配当金を証券口座で受け取る方式のことです。これ以外の設定、たとえば郵便局や銀行口座で配当を受け取る方法になっていると、通常どおり課税されてしまいます。

株式数比例配分方式は、銘柄ごとではなく証券口座単位で切り替わるため、一度設定すれば、保有銘柄すべてに適用されます。各証券会社の管理画面から確認・変更できるので、事前にチェックしておきましょう。

診断ツールでわかる|自分にあった高配当株の配分の決め方

高配当株の自分にあった配分について考えているなら、以下の診断ツールを使うと参考になります。投資の目的や希望する運用期間、目標金額などから、あなたに適した高配当株の配分がわかります。

[このセクションは別途あなたが執筆予定。インデックスと高配当株の配分は人によって大きく異なるため、決まった正解(◯対◯)は示さず、目的・運用期間・性格から自分なりの比率を導く「判断の軸」を提示する。リードで約束した「自分に最適な保有割合」を回収する核となるパート。]

自分の配分タイプを診断する

[以下は既存の下書きを暫定で残したもの。あなたが大きくリライトする予定の箇所。]

インデックスを厚めにするのが向いている人

  • 資産を効率よく増やすことを最優先したい
  • 日々の値動きや個別企業をできるだけ見たくない
  • 運用期間を長く取れる(目安10年以上)

高配当株を厚めにするのが向いている人

  • 保有しているあいだに現金が入る安心感を重視する
  • 配当という「目に見える成果」がないとモチベーションが続かない
  • 受け取った配当を再投資や生活費に使う予定がある

まとめ

  • インデックスと高配当株は競合ではなく補完。効率よく増やす土台に、現金を受け取る仕組みを足すのが両立の狙い。
  • 個別株で手が止まるのは自然なこと。まずは高配当株の詰めあわせ(ETF・投信)から始め、慣れたら個別を上乗せすればよい。
  • 配分に唯一の正解はない。目的・運用期間・性格から、自分なりのバランスを決める。

すでにインデックスで土台はできています。次の一歩は、無理のない形で高配当株を組みあわせること。詰めあわせからでも、今日から始められます。